オリーブ・キタリッジの生活


今日は天気予報どおり、雪が降っています。
今日はどこへも行かずに、窓の外を時々眺めながら、
図書館で借りた本などを読んでいました。
そして、今日読了した本。



〜すべての人生が、いとしくせつない。
 ピューリッツアー賞受賞の連作短編集〜



アメリカ北東部の小さな港町クロスビーがこの小説の舞台となっていて、
13編の短編が収められています。
オリーブ・キタリッジと言う中年の元数学教師の女性が全ての短編に
ある時は主役として、そしてある時は脇役として、
そしてある時は通りすがりの人として登場し
それぞれの短編はそれぞれ独立した物語でありながら、
縦糸と横糸が折り重なって、ひとつのタペストリーとなっているような
とても読み応えのある作品でした。


オリーブ・キタリッジという女性が短編を読み進めていくに従って老いていくのですが、
お世辞にも好感が持てる女性ではないのだけれど、
オリーブの住む小さな街で起きるさまざまな出来事の中に、
人間の「老い」であったり、「孤独」であったり、「悲しみ」だったり
人間の醜い部分も見えたりするのだけれど、それがとても人間臭く描かれていて、
遠くの外国の街で起きている物語でありながら、非常に身近に感じられると言うか、
私も街の住人の一人のような気分で読みました。



オリーヴ・キタリッジの生活

オリーヴ・キタリッジの生活