ライラック通りの帽子屋

映画の事を思い出しながら、マッドハッターを刺していたのですが、映画の中で、マッドハッターは赤の女王のとらわれの身となりながらも、とても楽しそうに帽子を作っているシーンがありました。
それで、ふと、帽子屋の話を思い出したりして、本棚からこの本を引っぱり出してきて読み返してしまいました。

ライラック通りの帽子屋」というお話です。
「ハンカチの上の花畑』(講談社文庫)に入っているお話なんですが、
このお話は3〜4年まえに、とあるステッチャーさんがブログに取り上げていて、
その事がきっかけで、そのステッチャーさんとお話するきっかけにもなった本なんですよね〜。

お話の中に、ライラックの木の下にある喫茶店がでてきて、そこのメニューに

にじのかけら
ゆうやけぐも
5がつのかぜ
そのたいろいろ


とあり、「にじのかけら」をたのんで、食べると若い日に戻れてしまうんです。
他のをたのむとどうなっちゃうんでしょう?
「ゆうやけぐも」も「5がつのかぜ」も私にとってはどちらも選びがたいかもしれないです。


安房直子さんは、子どもの頃、たぶん一番好きな童話作家でした。
ただ、空想のお話というよりは、子供心にちょっと怖いな、、、と感じる部分もあったように思うのですが、、
大人になって読み返すと、昔読んだ時とは違ったものが見えてきます。
子どもの頃にちょっと怖いように感じていた部分は大人になって読んでみると、実生活に置き換えてふと考えさせられてしまう部分である気がします。
当時わたしは、安房直子さんのお話で、味戸ケイコさんの挿絵というコンビが好きでした。






私の手元にあるのは、この講談社の文庫本で、昭和56年8版のものです。
今、もうこれは絶版になってしまっているのかもしれませんが、安房直子さんの全集や独立した絵本としてもお話は読めるようです。
「ハンカチの上の花畑」には、3つお話が入っていて、もう1つ「空色のゆりいす」というお話が入っています。
これは、椅子作りの職人さんの話で、目の見えない女の子が色を知るというお話なんだけれど、これも好きなお話の1つです。
読み返してみたら、安房直子さんのお話に火がついてしまいました。
他のも読み返したくなりました。大人の方にもお勧めです。


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